庵。と音楽ライフ

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作詞の際の「比喩」表現解説!

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歌詞を書いたけどなんか味気ない・・・

「とりあえず歌詞を書いてみたけど、ただ事実が並んでいるだけ・・・」
歌詞を書いているとそんな状況に陥ることがあると思います。しかしながら、解決策がわからないため幼稚な表現の比喩でさらに歌詞の質を落としてしまっている場合があります。
そうなってしまうことを防ぐために、「比喩」の知識をつけておきましょう。この記事では、「比喩」だけを取り上げて解説していきます。


そもそも比喩表現って?

まずは、比喩表現とは何かということを解説していきましょう。比喩表現とは、
何かを何かに例える表現方法です。

さらに、比喩表現には幾つかの種類が存在します。
今回は歌詞で使えそうな、「直喩」「隠喩」を見ていきましょう。


直喩

直喩は「そこの部分が比喩表現であることを明示している比喩表現」のことです。
一番簡単な例としては、「〜のようだ」といった表現が挙げられます。

  • 「彼女の瞳はまるでビー玉のようだ
  • 「あの雲は綿菓子のようだ
  • 「天使のような笑顔」

恐らく、比喩表現と聞いて一番イメージするのがこの直喩ではないかと思います。直喩は比喩表現であることがわかりやすいため、歌詞を書く上で非常に有効な表現方法です。しかしながら、わかりやすいということは作詞の技量がそのまま出てしまうため用いる単語によっては非常にチープな表現方法になってしまいます。用いる単語のレベルを気にかけて使うようにしていきましょう。


隠喩

隠喩とは直喩とは逆に「その部分が比喩表現であることを明示しない表現方法」です。

  • 「僕は女神を捕まえた」
  • 「脳内に電撃が走る」
  • 「僕の人生は地獄だ」

このように、「〜のようだ」と言った言葉を用いないため自分で用いる際は少し難易度が高いかもしれません。また、突拍子もない隠喩はとても読み手の目を引きます。
例えば

「君は線香花火だった」

はっきり言って歌詞の一番最初にこの文章が出てきても意味不明だと思います。しかし、読み手には「これは一体どういうことなんだろう」と感じさせることができます。その後の歌詞で「君は線香花火だった」という文章について解説を行えば、読み手は納得してさらに心を揺さぶることができるでしょう。ここでは、「君の命は線香花火のように短かったが、美しく輝いていた」ということを思って書いているので、それについてのストーリーを後の歌詞で描いていくことになります。



歌詞を書くということ

歌詞を書くことは一見簡単そうに見えますが実は、様々な技法を駆使して書かないといいものができないという難易度が高いものです。今回は、使いやすい直喩と隠喩を紹介しましたが、擬人法や提喩、換喩など比喩表現にはまだまだ種類があります。全てを使いこなして歌詞を書くのはとても難しいことですが、直喩と隠喩を織り交ぜるだけでもかなり完成度の高い歌詞を書くことはできると思います。まずは、自分の歌詞に直喩・隠喩を取り入れてレベルアップを図っていきましょう。